耳管狭窄症とは

耳管狭窄症

耳管は常に塞がっている訳ではありません。あくびや物を飲み込む時に開いて通気され、中耳と外界との圧が平衡状態になります。ところが、耳管狭窄症になると耳管の通気が悪くなり、耳に水が入ったような耳閉感を感じたり、周囲の音をきちんと聞き取ることが出来なくなったりします。様々な原因が考えられますが、風邪に伴う上気道炎や副鼻腔炎などによって耳管が炎症を起こすケースがよく見られます。その他、咽頭扁桃の肥大や腫瘍による機械的圧迫で起こることがあります。

このようなときは
ご受診ください

  • 耳が詰まった感じがする
  • 周囲の音がくぐもって聞こえる
  • 周囲の音が響いて聞こえる
  • 自分の話し声が大きく聞こえたりする
  • 呼吸に合わせて変な音が聞こえる
  • 頭が重い感じがする
  • 風邪を引いてから調子が芳しくない
  • 鼻水をよくすすっている

など

症状は耳管開放症と共通しているものが多く見られます。

主な原因

耳管狭窄症の原因は、風邪に伴う急性鼻炎、アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎、上咽頭炎(鼻とのどの間の炎症)など、鼻の炎症がほとんどです。耳管狭窄症の方の鼻の奥をみると、粘膜の赤みや、後鼻漏(鼻汁がのどに下りる症状)が見られることもよくあります。鼻の奥に炎症があり、耳管の鼻側の開口部がふさがってしまうと、耳管狭窄症となってしまいます。
このほか、上咽頭にある扁桃腺(アデノイド)が腫れることで耳管の周囲が閉塞し、耳管狭窄症になることもあります。

耳管狭窄症の治療

風邪や副鼻腔炎など、原因となる病気がある場合は、まずそれらの治療を行う必要があります。特に風邪の場合には、多くは風邪症状が改善するにつれて耳管狭窄症も治ります。そのため原因を特定するための検査などを行ったり、鼻水吸引やネブライザーなどの処置を行います。耳管狭窄症そのものを改善するためには、鼻から管を入れて、耳管咽頭口から空気を送り込む耳管通気療法を行います。このような治療で改善しないようなら、鼓膜換気チューブを留置します。また、耳管の炎症を抑えるため抗ヒスタミン薬や抗生剤などを処方します。

予防について

耳管開放症にも共通して言えることですが、自律神経の乱れが耳管狭窄症の発症と大きくかかわっています。夕方から夜はリラックスできる時間を確保するなど、普段から生活習慣に注意して自律神経を整えるようにしましょう。なるべくストレスを溜め込まないようにすることも大切です。